平成22年度施政方針(テキストファイル)
平成22年度施政方針
平成22年第2回3月定例会に際しまして、議員の皆様方には、お忙しいところを御健勝にて御参集いただきまして、心から御礼を申し上げます。
本日ここに、平成22年度各会計予算案をはじめ、諸議案の御審議をお願いするに当たりまして、私の市政に対する所信を申し述べるとともに、主要な施策につきまして御説明申し上げ、議員と市民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。
さて、平成21年度の我が国の経済は、米国金融危機に端を発した世界同時不況の影響により急速に悪化し、未曽有の経済収縮に直面したものの、政府による累次の緊急経済対策効果などにより最悪期を脱したと見られております。しかしながら、回復の足取りは鈍く、円相場の急騰や物価の下落など、先行きは未だ不透明な状況にございます。
政府は、平成22年1月に発表した月例経済報告におきまして、「景気は、持ち直しているが、自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある。」と我が国経済の基調判断をしております。また、先行きにつきましては、「当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレの影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意する必要がある。」とし、輸出や生産など一部に明るい動きが見られるものの、「企業収益は、大幅な減少が続いている」と厳しい分析をしております。
こうした中、政府は、厳しい経済・雇用情勢に対応し、景気の持ち直しの動きを確かなものとするため、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を着実に実施することとし、これに伴う平成21年度第2次補正予算と提出済みの平成22年度予算を一体として、切れ目なく執行することとしております。
これを受けて、平成22年度地方財政計画では、個人所得の大幅な減少や企業収益の悪化などにより、地方税収入や地方交付税の原資となる国税収入が大幅に減少する中、地方交付税は前年度比1兆733億円の大幅な増額を確保しております。しかしながら、この増額は、交付税特別会計の借入金の償還を先送りにするなどの緊急的・一時的な手法を駆使したものであり、将来の安定的な地方財政運営が保証されたものではございません。さらに、高齢化による社会保障経費の増加が見込まれることに加えて、地方財政の借入金残高は、平成22年度末に200兆円と見込まれ、今後、その償還負担が高水準で続くところであり、将来の財政運営が更に逼迫することが強く懸念されております。
当市におきましては、先の「三位一体改革」などの影響による地方交付税の減少や、国の「社会保障制度改革」による社会保障経費の増加などによる財源不足の解消を図るために、平成17年度以降に「財政健全化に向けた取り組み」を実施するとともに、積極的な行財政改革の下、創意工夫を重ね、数々の取り組みをスピードを持って実施し、効果的・効率的な行財政運営に努めているところでございます。
このような状況の中で、平成22年度における当市の財政状況を見ますと、歳入の根幹である個人市民税におきましては、景気の減速による影響が個人所得にも波及すると予想されることから、大幅な減収を見込むとともに、法人市民税におきましても、企業業績の回復の立ち遅れから、依然低い水準を見込んでおります。また、固定資産税におきましては、個人住宅の新築による増加を見込む一方、企業の新たな設備投資は見込めないことから、ほぼ横ばいになるものと見込んでおります。
一方、歳出におきましては、職員数の削減などにより人件費総額は減少するものの、扶助費などの義務的経費の増大や国民健康保険や介護保険の保険給付費が引き続き増加傾向にあるなど、依然として厳しい状況にございます。また、将来を見据えた活力あるまちづくりに向けた都市基盤整備事業を始め、児童・生徒の増加による教育環境の整備、少子高齢化の問題、環境問題、地域産業の活性化など将来にわたり多くの行政課題に応えていくことが求められており、当市の財政は予断を許さない厳しい運営を強いられることが見込まれます。
平成22年度の予算編成に当たりましては、財政の健全性を堅持することを基本に、引き続き行財政改革を着実に推進し、さらに行政評価により事業の見直しに努めるとともに、市民ニーズを的確にとらえ、優先性・緊急性を踏まえながら、より一層の事業の「選択」と「集中」に努め、限られた財源を効果的・効率的に活用しつつ、重点的に予算を配分したところでございます。
このような中で編成いたしました平成22年度吉川市一般会計予算案の総額は、前年度比9.1%増の170億500万円でございます。
また、国民健康保険、下水道事業、老人保健、農業集落排水事業、介護保険、後期高齢者医療の各特別会計につきましては、特別会計の設置目的や趣旨に従って予算編成を行い、総額を、前年度比3.9%減の103億1,489万円とし、一般会計と特別会計を合わせまして、総額で前年度比3.8%増の273億1,989万円の予算案を御提案させていただいたところでございます。
それでは、はじめに、第4次総合振興計画・後期基本計画の4つの重点テーマに沿って、当初予算案に盛り込まれております重点的な取り組みにつきまして、御説明申し上げます。
1つ目は、「安全安心のまちづくり」でございます。
学校施設は、将来を担う子どもたちが安全で安心して学校生活を送れる環境でなければなりません。また、大規模災害時における地域の避難拠点にもなることから、安全性の確保は、極めて重要でございます。
その取り組みといたしまして当市では、平成21年度の補正予算案で繰越しをお願いしております三輪野江小学校の校舎の耐震補強と大規模改修工事に取りかかり、全ての学校校舎の耐震化が完了することとなります。また、三輪野江小学校と南中学校の体育館の耐震補強と大規模改修工事に取りかかります。さらに、平成22年度には、吉川小学校を始め、小学校5校の体育館の改修工事に向けて耐震診断調査を実施し、学校施設の耐震化を計画的に進めてまいります。
2つ目のテーマは、「子どもを産み育てられるまちづくり」でございます。
今日の少子化社会において、未来を担う子どもたちが健やかに誕生し、元気に成長していくことができるまちづくりを進めることは、極めて重要でございます。
このことを踏まえて当市では、平成22年度を初年度とする「次世代育成支援対策地域行動計画」の後期基本計画に基づき、少子化対策や安心して子育てできる環境づくりを推進するため、きめ細やかな子育て支援策を進めてまいります。その取り組みといたしまして、子どもの疾病時に保育サービスを提供する病児・病後児保育事業を開始いたします。
3つ目が、「食で育む健康のまちづくり」でございます。
近年、食を取り巻く環境が大きく変化した結果、食への関心が薄れるとともに、栄養の偏り、肥満や生活習慣病の増加、伝統的食文化の喪失など、食に関する様々な問題が生じております。
「食」は生きる上での基本であり、心身の健康の増進と豊かな人間形成を育む上で欠かすことのできないものでございます。未来を担う子どもたちが健全な食生活を送ることは、子どもたちの将来に向けて重要であり、また、子どもへの食育を通じて、大人自身もその食生活を見直すことも期待されております。
このことを踏まえて当市では、食育に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、平成22年度を初年度とする「食育推進計画」に基づき、保育所や小中学校における食育の取り組みを積極的に進めるとともに、「食育フォーラムの開催」、「食育マップの作成」、「学習機会の提供」、「地産地消の促進」など、市民が生涯にわたって健康で心豊かに過ごしていただけるよう食育を推進してまいります。
4つ目が、「自立する活動的なまちづくり」でございます。
今日、社会情勢が著しく変化し、市民のライフスタイルやニーズが急激に多様化・高度化する中、行政と対等なパートナーとして、責任を持った立場から社会的課題に自主的・主体的に取り組む市民活動が、「市民と協働によるまちづくり」に欠かせないものと確信しております。
このことを踏まえて当市では、市民交流センターおあしすに市民活動を支援する「サポートセンター」を設置し、市民活動に関する情報提供をはじめ、相談や講座の開催、更には団体相互のネットワークづくりなど、市民の自主的・主体的な活動の活性化を促進してまいります。
以上、後期基本計画の4つの重点テーマごとに、重点的な取り組みをご説明させていただきましたが、それ以外の取り組みについて、引き続き第4次吉川市総合振興計画の施策の大綱に沿って、概要を申し上げさせていただきます。
(心ふれあうひらかれたまちづくりー 市民交流)
はじめに、第1の「心ふれあうひらかれたまちづくり」についての施策でございます。
市民の皆様には、これまでにも防犯、防災、環境、子育て、農業、まちづくりなど、あらゆる分野において、自治会、市民団体、NPOなどの活動を通して、活発に活動をしていただいております。「自分たちのまちは、自分たちの手で作り上げる」という意識を持ち、活動を続ける市民の皆様の熱意と意欲に感謝を申し上げるとともに、そのような活動や取り組みが広がることにより、市民主役のまちづくりが着実に実現するものと確信しております。
そのためには、まず、「コミュニティ活動の推進」でございます。今日、地域の核となる各自治会におきましては、地域の安全・安心の推進、環境の向上、交流の推進など大きな役割を担っていただいております。各地域での活動が更に促進するよう集会施設の整備や自治会活動の支援を行い、市民の自治意識を高め、市民一人ひとりが地域活動の担い手となるよう、地域コミュニティの醸成を促進してまいります。
次に、「女と男が互いに認め合う社会づくり」につきましては、平成21年度に設置いたしました「配偶者暴力相談支援センター」を拠点として、関係機関と連携を密にし、迅速かつ適切な相談対応に努め、継続的な支援を行います。また、平成21年度に策定した「配偶者等からの暴力防止及び被害者支援基本計画」に基づき、被害者の安全確保のために、緊急時における一時避難にかかる宿泊費を助成する制度を新たに創設いたします。
次に、「交流から生まれる人づくり・まちづくり」につきましては、日本語が不自由な外国籍の方が安心して地域で暮らすことができるよう、これまでの「タウンガイド」に加えて、「災害時収容避難所マップ」、「健診ガイド」などの生命にかかわる重要な情報を市民のお力により多言語に翻訳して提供してまいります。
国際交流につきましては、国際友好協会との協働による交流事業により、国際友好姉妹都市であるレイクオスエゴ市の高校生が2年ぶりに来訪されます。ホームステイや交流の場を通じて、市民相互による交流の輪がさらに広がり、異文化に対する相互理解を促進し、友好を益々深められるよう支援してまいります。
国内交流につきましては、引き続き「吉川・室根交流協会」とともに、室根大祭への参加や小学生同士の交流である「ふるさと探検隊」などの事業により、友好提携市である岩手県一関市との市民相互による交流を促進してまいります。
次に、「市民参加のまちづくり」についてでございますが、平成21年度に策定いたしました「市民と行政との協働に関する基本指針」に基づき、職員の意識啓発を始め、市民への啓発と情報提供を積極的に行ってまいります。
(元気でやさしさあふれたまちづくりー 健康福祉)
次に、第2の「元気でやさしさあふれたまちづくり」についての施策でございます。
現在、当市におきましても少子高齢化が確実に進展しており、市民が健康で安心して生活が送れるようにするための施策が求められております。このような中で当市では、すべての市民が健康で安心して生活できるための重要な基盤である健康福祉施策を引き続き実施してまいります。
まず、「市民が参加する福祉のまちづくり」につきましては、急な入院や地震などの災害への備えとして平成21年度に70歳以上のひとり暮らしをしている高齢者の方などに「安心リュック」を配布させていただきました。受領した方からは、「いざという時に大変助かる。」などとお声をいただいており、引き続き、新たに対象となる方に配布してまいります。
次に、「未来を育む児童福祉の推進」につきましては、市民団体との協働により子育て支援センターを児童館ワンダーランドに開設し、親子の交流の場の提供や子育て家庭の育児不安の解消を図るための相談などを実施するとともに、学童保育室の保育時間を延長し、子育て支援の充実に努めてまいります。
次に、「いきいき暮らせる高齢者福祉の推進」につきましては、介護を必要とする高齢者が24時間安心して自宅で暮らせるよう、「夜間対応型訪問介護サービス」を提供するとともに、地域包括支援センターによる訪問や相談活動の一層の充実を図り、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で暮らせる介護環境の向上に努めてまいります。
また、「第4期吉川市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」の重点施策といたしまして、平成21年度から実施しております一般高齢者向け「健康体操教室」と介護予防の必要な特定高齢者向け「認知症予防教室」を拡充し、高齢者の健康維持と介護予防に努めてまいります。
次に、「みんなが支えあう障がい者(児)福祉の推進」についてでございますが、(仮称)吉川第2フレンドパークの安定した運営のため、運営主体である社会福祉法人葭の里に対して援助を行い、障がい者の自立と地域生活を支援してまいります。
次に、「生涯を通じた健康づくりの推進」につきましては、「健康増進計画」に基づき、引き続き“市民が主役になって取り組む健康づくり”を旗印といたしまして、健診と保健指導の充実を図り、働き盛りの方や高齢者の健康を脅かすがんの早期発見と生活習慣病の予防に努めてまいります。
小児の初期救急医療や第二次救急医療につきましては、医師会や関係機関との連携を図り、引き続きこれらの事業が円滑に実施できるよう努めてまいります。
母子保健事業につきましては、国の補助制度などの支援を受けて、妊婦健康診査の公費負担回数を大幅に拡大いたしましたが、更に検査内容を拡充し、母子ともに健康な出産が迎えられるように支援してまいります。また、引き続き、乳幼児健康診査や健康相談、家庭訪問などの充実を図り、子どもの健やかな成長を支援してまいります。
次に、「安心して暮らせる社会保障の充実」につきましては、高齢化の進展と医療の高度化などに伴う医療費の増加と被保険者の所得階層の変化などにより、国民健康保険財政は依然として厳しい状況が続くものと予測しております。
国民健康保険につきましては、その役割として医療を確実に給付できるよう国民健康保険税の収納率の向上に努めるとともに、国庫支出金や県支出金の増額について関係機関を通じて要望し、保険財政の安定化に努めてまいります。
後期高齢者医療制度につきましては、新政府において廃止を前提とした新たな制度の検討が始まりましたので、今後とも、国の動向に注視するとともに、市民の立場に立った分かりやすい情報の提供に努めてまいります。
(やすらぎとうるおいのある快適なまちづくり ー 生活環境)
次に、第3の「やすらぎとうるおいのある快適なまちづくり」についての施策でございます。
まず、「みどり豊かなまちづくり」につきましては、吉川中央土地区画整理事業区域内の第1号調整池を市民の健康づくりやスポーツの場としても活用できる緑地として、園路や修景施設などを整備するとともに、憩いの場となる2か所の街区公園を新設いたします。
吉川駅南特定土地区画整理事業区域内におきましては、近隣公園を開設するとともに、隣接する多目的広場や街区公園の整備を促進してまいります。また、駅南の二郷半用水路沿いの緑道整備につきましては、住民参加の下、ワークショップによる実施設計を行い、緑のネットワークづくりを推進してまいります。
次に、「災害に強いまちづくり」につきましては、地域防災計画に基づき、防災行政無線の増設などを進めるとともに、地震速報など対処に緊急性を要する事態にかかる情報をいち早く市民に提供するため、「全国瞬時警報システム」を運用してまいります。
水防につきましては、江戸川水防事務組合との共催により、江戸川河川敷におきまして、江戸川の水害を想定した水防演習を実施し、関係団体との水防体制の連携強化と吉川市水防団や自主防災組織などの更なる資質の向上を図ってまいります。
水害時の水防活動や災害時の復旧活動の拠点となる河川防災ステーションの設置につきましては、平成21年度からステーション建設に向けての用地買収が行われており、引き続き事業が計画的に促進されるよう、国へ要望してまいります。
さらに、大規模地震における被害が最小限となるよう引き続き住宅の無料簡易耐震診断を行うとともに、建築士による住宅の耐震診断につきまして支援してまいります。
次に、「安全で明るいまちづくり」につきましては、「安全で安心なまちの実現」に向けて、引き続き保第2公園防犯活動ステーションの運営や青色回転灯付きパトロール車の貸出し、防犯パトロール用資機材の支給などを行い、地域の自主防犯活動団体の育成と支援に努めてまいります。
交通安全対策につきましては、交通安全教室や交通安全運動などにより、市民の交通安全に対する意識の高揚を図るとともに、交通安全施設の整備や信号機の設置の促進に努めてまいります。
次に、「環境にやさしいまちづくり」につきましては、生活環境の保全を図るために、環境保全協定制度の充実に努めるとともに、生活排水を適切に処理するため、生活排水処理基本計画を策定してまいります。また、地球にやさしい新エネルギーの導入といたしまして、平成21年度の補正予算案で繰越しをお願いしております三輪野江小学校への太陽光発電の設置を行い、環境教育にも活用してまいります。
廃棄物対策につきましては、自治会や小中学校など、広く市民に向けたごみ減量説明会を積極的に開催し、廃棄物の発生抑制と分別排出の意義を啓発するとともに、ごみ集積所に排出された資源物の持ち去り行為を禁止するための条例を的確に運用し、資源化率の向上と更なる廃棄物の減量に努めてまいります。
(人と自然が調和したまちづくりー 都市基盤)
次に、第4の「人と自然が調和したまちづくり」についての施策でございます。
まず、「秩序ある土地利用の推進」についてでございますが、吉川橋を含む越谷吉川線の整備に合わせ、引き続き越谷吉川線沿道の用途地域の見直しや地区計画のルールづくりを進めてまいります。
次に、「特色ある市街地の整備」についてでございますが、組合施行による吉川中央土地区画整理事業につきましては、使用収益開始区域の拡大のため、越谷吉川線の延伸、中央中学校の南側と平沼川藤線の道路築造工事、更に、栄小学校の南側の移転補償などの促進が図れるよう、引き続き支援を行ってまいります。
次に、「魅力ある武蔵野操車場関連地域の整備」につきましては、平成23年度の新駅開業に合わせた武蔵野操車場跡地地区のまちびらきに向け、用途地域・地区計画の都市計画手続に着手いたします。
平成21年11月から土木工事に着手いたしました新駅につきましては、平成22年度から駅舎や自由通路の建築工事に着手するとJR東日本から伺っており、引き続き平成23年度の開業に向け、新駅の設置を促進してまいります。また、新駅の駅名につきましては、243人の市民の皆様から応募をいただいたものの中から、「吉川美南」に決定したところでございます。
新駅のアクセス道路につきましては、県道越谷流山線と武蔵野線側道を東西に結ぶ新駅北側の市道をアクセス道路として暫定的な利用を図るために、必要な設計に着手いたします。
次に、「快適な道路網の充実」についてでございますが、県事業につきましては、常磐自動車道の南地区において工事が進められておりました三輪野江バイパスの全線が供用開始となります。また、越谷吉川線と三郷流山線の用地買収や、完成が見込まれている三郷吉川線のJR武蔵野線横断部の整備、さらに保交差点改良の歩道設置につきましても、引き続き促進してまいります。
当市の道路整備につきましては、平成19年度から計画的に整備してまいりました新栄地区の道路整備が平成22年度をもって全路線完了いたします。また、引き続き道路の舗装補修工事や維持補修に努め、安全性の確保に努めてまいります。
次に「充実した公共交通網の整備・促進」につきましては、吉川駅のホームの屋根の延長整備や武蔵野線の旅客輸送力の改善につきましても、引き続き働きかけを行ってまいります。
市内バス交通につきましては、ノンステップバスの導入を促進するとともに、路線バス運行費補助金の効果を検証しつつ、路線運行の改善提案などを行い、引き続き利便性の向上に努めてまいります。
次に、「暮らしを支える上水道の充実」につきましては、より安全でおいしい水を、より安定的に給水するため、一層の経営効率化に努めてまいります。また、「石綿管更新計画」に基づき、石綿管の布設替事業を引き続き実施するとともに、老朽化が著しい会野谷浄水場の施設を計画的に更新し、配水管の漏水対策と施設・設備の耐震化を推進してまいります。
次に、「美しい水環境の創出」につきましては、公共下水道が整備された地域では、引き続き下水道への接続を促進し、水洗化の向上を図るとともに、吉川中央土地区画整理事業区域内と武蔵野操車場跡地地区土地区画整理事業区域内の公共下水道整備を促進してまいります。また、公共下水道が未整備の地域では、合併処理浄化槽の設置費用などを援助し、単独処理浄化槽や汲み取り便槽からの転換を促進してまいります。
次に、「総合的な治水対策の推進」につきましては、国事業の中川河川改修と江戸川の堤防強化対策、県事業の大場川、第二大場川の河道改修や駅南調節池の整備につきまして、事業の進捗が図られるよう、引き続き国、県に要望してまいります。
吉川中央区画整理地域につきましては、第一調整池のポンプ場を本稼働し、浸水被害の軽減を目指してまいります。また、平成21年度の補正予算案で繰越しをお願いしております共保ポンプ場の除塵機の更新などにより、適正な維持管理に努めてまいります。
(魅力的で活力あるまちづくりー 産業振興)
次に、第5の「魅力的で活力あるまちづくり」についての施策でございます。
まず、「魅力ある農業の振興」につきましては、優れた技術や経営能力を有する中核農家や農業団体の活動を支援するとともに、農地の集積化の推進を積極的に行い、農作業の効率化と遊休農地の解消に努めてまいります。また、地産地消の推進による消費拡大を図るため、引き続き付加価値の高い農産物の栽培を推進するとともに、体験田植えや体験稲刈りなどの機会を捕らえて、吉川産農産物のPRに努めてまいります。
農地や用排水路などの生産基盤につきましては、県の補助事業を活用した排水路整備事業、市単独事業としての排水路整備事業を引き続き実施し、資源の保全とその質の向上に努めてまいります。また、引き続き国の「農地・水・環境保全向上対策事業」を活用した市民との協働活動を推進し、生産基盤の向上に努めてまいります。
次に、「活力ある工業の振興」につきましては、新たな工業用地の確保を図るため、引き続き開発手法などの研究に取り組んでまいります。また、経営相談や経営革新計画承認セミナーを通して、企業経営者の経営力の向上を促進してまいります。
次に、「賑わいのある商業の振興」につきましては、市内の様々な特産品のPRや、消費者に愛される店づくりに向け、引き続き「一店逸品事業」や「逸品朝市」など商工会を始めとした関係機関と連携し、市内商業の活性化を図ってまいります。
次に、「労働環境の改善」につきましては、国と歩調を合わせ、緊急雇用対策事業を積極的に実施し、雇用機会の創出に努めてまいります。また、引き続き、ハローワークなどの関係機関と連携し、雇用の促進を図るとともに、求人情報の提供などの就職支援に努めてまいります。
次に、「消費者保護の推進」につきましては、悪質商法などの被害を未然に防ぐための啓発活動に努めるとともに、消費生活相談では、多重債務問題を始めとした消費者問題に対応するため、専門の相談員による消費生活相談を拡大し、適正かつ迅速に問題解決を図ってまいります。
(いきがいと学ぶ楽しさを生むまちづくりー 教育・文化・スポーツ)
次に、第6の「いきがいと学ぶ楽しさを生むまちづくり」についての施策でございます。
まず、「生涯学習による人づくり・まちづくりの推進」につきましては、市民交流センターおあしすや市立図書館などの生涯学習施設を、平成22年度から指定管理者による管理・運営とし、民間のノウハウを取り入れながら、多様化する市民ニーズに、より効果的・効率的に対応し、サービス提供の質の向上に努めてまいります。
次に、「豊かな人間性を培う学校教育の充実」につきましては、将来の吉川を担う児童・生徒一人ひとりに基礎的・基本的な力を確実に身に付けさせるとともに、主体的に生き抜く力を育成していくため、教育内容を充実させ、魅力ある学校づくりを推めてまいります。
小学校では平成23年度から、中学校では平成24年度から本格実施されます新しい学習指導要領に対応するため、小学校5年生・6年生の英語活動には語学指導者を、また算数、数学などには、少人数指導教員を配置するとともに、教職員の研修を充実させ、指導力の向上を図り、引き続き学習指導法の工夫改善に努めてまいります。
障がいのある児童・生徒の教育につきましては、関小学校の難聴・言語障がいの通級指導教室に指導助言者を派遣するとともに、新たに南中学校に自閉症・情緒障がいの特別支援学級を開設し、個に応じた適切な支援の充実に努めてまいります。
いじめの根絶、不登校の解消につきましては、引き続き適応指導教室の充実に努めるとともに、スクールカウンセラーやさわやか相談員、あおぞら相談員、ふれあいフレンド、学生ボランティアなどを配置し、児童や生徒が様々な方々と触れ合う中で、日常生活での悩みや不安を気軽に相談できる明るい学校づくりに努めてまいります。
学校給食につきましては、安全で安心な給食を提供するため、引き続き国内産の食材の使用と衛生管理の徹底に努めてまいります。また、吉川産米の米粉を使ったパンを献立に加えるなど地産地消の取り組みを推進するとともに、栄養バランスにも配慮した特色のある給食内容の充実に努めてまいります。さらに、食育につきましては、新たに配置される栄養教諭による食育指導を行うなど、食育推進計画に基づいた取り組みを行ってまいります。
教育環境の整備につきましては、吉川駅南特定土地区画整理事業地区の開発に伴う児童数の増加に対応するため、新設小学校の基本設計を行い、学校建設に着手します。
次に、「生きる力を育む地域社会の醸成」につきましては、家庭教育がすべての教育の出発点であることから、小・中学校PTAや幼稚園、保育所の保護者会によります家庭教育学級の充実はもとより、広く子育て中の世帯に向け、家庭教育に関する学習情報の発信に努めてまいります。さらに、子どもたちが、年齢の異なる集団の中で、ふれあいながら様々な体験をすることによって、お互いを思いやる気持ちや命を大切にする心、自ら考え行動することができる力を育めるよう、引き続き地域の皆様のお力をお借りして「子どもの体験活動」や「宿泊通学」などの事業を実施してまいります。
次に、「多彩で個性ある文化の創造と継承」につきましては、引き続き市民文化祭や県展入選作品展などを開催し、市民が芸術・文化に触れ合える機会を提供し、芸術・文化活動への意欲の高揚に努めてまいります。また、郷土吉川に脈々と受け継がれてきた歴史や文化をまとめました「吉川市史 資料編 近現代1」を刊行いたします。
次に、「生涯スポーツの振興」につきましては、子どもから高齢者まで、それぞれの段階に応じた体力の向上を図るため、「ふらっとスポーツ」を核として、各種スポーツ教室や、娯楽としてのニュー・スポーツから競技スポーツまで、幅広いニーズに対応した事業をスポーツ関連団体と連携して開催し、地域スポーツへの参加機会の拡大に努めてまいります。
(構想の推進 ― 諸施策の実現に向けて)
以上6つの柱立てに沿い、平成22年度の施策のあらましを申し上げてまいりましたが、最後に諸施策の実現に向けた推進方策について申し上げます。
まず、「計画的、総合的な行政の推進」につきましては、第4次総合振興計画の計画期間が平成23年度に満了を迎えますことから、次期総合振興計画の策定に向けた基礎調査を行うとともに、(仮称)まちづくり未来会議を創設し、市民の皆様のご意見をいただきながら、実効性のある計画の策定に取り組んでまいります。
住民情報や課税情報などを処理している総合窓口電算システムにつきましては、システムを刷新し、より一層の事務処理の合理化と安全かつ安定した情報処理の環境の向上を図ってまいります。
次に、「計画的、効率的な財政運営」についてでございますが、収納体制を強化し、市税の市民負担の公平性の確保を図るとともに、平成21年度をもって第2次よしかわ行財政改革の計画期間が満了を迎えますことから、平成22年度から新たな計画をスタートさせ、引き続き簡素で効果的・効率的な行財政運営に努めてまいります。
さらに、総合振興計画に掲げた施策を実現するためには、各事業が市民ニーズや事業目的にかなった推進が行われているか、財源や人員といった限られた経営資源が効果的に配分されているかなどを見極めることが重要でございます。当市では、品質マネジメントシステムであるIS09001の供給者適合宣言を継続し、適切な資源配分、各事務事業の実施方法や成果について評価を行い、日々の活動の継続的な改善のために最大限に活用し、更なる市民満足度の向上を目指してまいります。
以上、平成22年度の市政運営と主要施策につきまして申し述べてまいりましたが、市政を取り巻く環境は、戦後最大の危機といわれる経済不況による景気の動向や地方財政の先行き、地方分権の更なる進展など、様々な変化が波となって押し寄せ、ますます厳しくなることが予想されます。
日本屈指の経営者であった松下幸之助氏が綴った「不況克服の心得 十か条」に、「『不況またよし』と考える。」の一節があります。
「不況に直面して、ただ困った困ったと右往左往していないか。不況こそ改善、発展のチャンスであると考える前向きの発想から、新たな道もひらけてくる。」
現状を事実としてしっかり受け止め、そしてどうするかを見極め、不況をも前向きにとらえる松下幸之助氏の心の強さに感嘆するとともに、景気の先行きが見えない中ではございますが、物事を見直す一つの機会ととらえ、改革に取り組んでまいることが大切であると考えます。
私は、現下の状況を、ただ単にマイナスの要因としてとらえるのではなく、今後も発展し続ける吉川市を創造する好機ととらえ、市民の皆様に「吉川市に住んで良かった」と実感していただけるよう、安全で安心なまちづくりを目指し、議員や市民の皆様のお力をお借りするとともに、職員の英知を結集して、全力で市政運営に取り組んでまいる所存でございます。
最後に、議員と市民の皆様の御理解と一層の御支援を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私の平成22年度の施政方針といたします。



