市民の皆さんの意見を取り入れて政策などを決定するために

市民参画条例の中では、市民の意見を取り入れて政策などを決定するために、次の7つの市民参画手続方法を定め、住民投票を除く6つの手段のうち、1つ以上を実施するものとしています。

審議会(要綱で定める懇話会等も含める) 

計画や条例等の策定過程で、会議運営及び審議過程の民主制の確保、学識経験者等の専門知識の導入、関係者の調整など、自治体政策の合理性を担保するため導入される一般的な方法。

審議会 [112KB pdfファイル] 

手法のメリット
  1. 少数固定メンバーによる活発な議論が期待できる
  2. 策定委員会などはともに計画を策定する過程を通して、合意形成が図られる
手法のデメリット
  1. 比較的少数制のため、検討に参加できない市民がいる
  2. 利害関係団体の代表を委員としても、代表が団体の意見を集約して会議に望むとは限らない
審議会手続が適している場合
  • 専門的立場からの知見、判断が必要な時や、中立性、客観性が強く求められる時
  • 市民の中に相反する利害が存在し、話し合いにより調整が必要な時
  • 審議会手続を補完するために
    • 公募による市民を加えること
    • 委員以外の市民の意見を聞く場を設ける(他の手続も並行する)

パブリック・コメント

政策形成への市民意見の反映と、原案等の公表、市民から提出された意見等への応答による政策形成過程の透明性の向上・説明責任を果たすことができる方法。 

パブリック・コメント [104KB pdfファイル] 

手法のメリット
  1. 比較的コストがかからない
  2. 意見のある者に広く発言の機会を提供できる
  3. 意見を提出する際の制約が比較的少ない
手法のデメリット
  1. 受身である
  2. 市民の言いっぱなしになる可能性がある
パブリック・コメント(イコール)意見公募、基礎的な市民参画の手続
  • 市民参画手続の対象となる行政活動については、他の方法による市民参画手続を行う場合を除き、常に行うことが望ましい。
  • 広い範囲の市民に影響が及ぶ事案について複数の方法で市民参画手続を行う場合は、できるかぎり行うこと。
  • 公表する内容が、市民が負担に感じるほどのボリュームがある場合、概要版などの分かりやすい資料を同時に公表することが望ましい。

市民説明会(公聴会、フォーラム、シンポジウムなども含む)

 一般に行政が市民に対し事業決定の前に考えを説明し、市民の意見を聴取したり、議論したりすること。全市民を対象としたり、地権者などの利害関係者や特定の地域住民を対象にするなど、目的によって範囲を決めることができる。

市民説明会 [109KB pdfファイル] 

手法のメリット
  1. 手続の公開性が高い
  2. 口述人は他の市民にも自分の意見をアピールできる
  3. 適切な質疑を行うことで論点を明確にしやすい
手法のデメリット
  1. 一部の反対者の意見があまりにも強く主張される場合、会場全体の雰囲気がその方向に流れてしまう
  2. 行政側の一方的な説明になり、参加者の意見が聴取できない場合がある
  3. 参加者が大勢いる場合、発言したくても発言しにくいことがある
市民説明会を行うことが適している場合
  1. 市の原案に対して反対意見又は賛否の意見が存在すると認められる時
  2. 市の処理方針に対して意見のある市民から、意見の趣旨などを直接聞く必要があると認められる場合
  3. 市民の関心が高い場合など、意見を聞く過程を広く市民に周知する必要があると認められる場合

地域ヒアリング

地域住民や各種団体などと直接面会し、話を聞くことで、市民が抱える課題やニーズ、意見や提案などを把握することができる方法。

地域ヒアリング [95KB pdfファイル]  

手法のメリット
  1. 積極的に市民の意見を聴くことができる
  2. 市民の意見を、多く聴くことができる
  3. より深い意見や提案を聴くことができる
  4. 行政と市民の信頼関係の構築が期待できる(顔の見える行政)
手法のデメリット
  1. 特定の団体や、事案に関係する団体以外の市民の意見が取り入れにくい
  2. 聴き手が、聴取するテーマや課題を統一していないと、異なる意見の集約になってしまう
地域ヒアリング手続を行うことが適している場合
  • 極めて早い段階から市民参画手続を行うことが適当と認められる場合
  • あらゆる団体から、意見やニーズを把握したい場合
  • 特定の関係者から意見やニーズを把握したい場合

ワークショップ

地域の現状把握からはじまり地域の問題点や課題の整理・分析、計画の方向性の提言、計画案・設計案づくりなどを行うのに適した方法。多様な市民がそれぞれの立場で意見を出し合い、時間をかけず、平等かつ合理的に意見をまとめられる。

ワークショップ [93KB pdfファイル]

手法のメリット
  1. 参加者をあまり固定しない
  2. 比較的少人数で自由な議論や共同作業を通して合意形成を図れる
 手法のデメリット
  1. 一部の市民だけの意見(市民参画)としてとらえられる
 ワークショップを行うことが適している場合

極めて早い段階から市民参画手続を行うことが適当と認められる場合

市民討議会

無作為で選ばれた市民の中から、参加者を募り、参加者のみで構成する小グループでの討議を通しながら意見を集約し、事案に対する意見をまとめていく方法。

市民討議会 [115KB pdfファイル]   

手法のメリット
  1. 無作為で選ばれた市民の中から、参加希望を募ることにより、これまで市民参画の機会がなかった方たち(サイレントマジョリティ)の参加が期待できる。
  2. 事案に対して利害関係のない市民の参加が期待できるので、偏りのない中立・公平な意見の集約が期待できる。
手法のデメリット
  1. 運営方法や参加者への情報提供を注意しないと、偏った方向に進み、中立・公平な運営や意見が集約できない。
  2. 募集に要する郵送代や報酬等のコストがかかる。
  3. 開催までの準備や報告書の作成に時間がかかる。
市民討議会を行うことが適している場合
  • なるべく早い段階から市民参画手続を行うことが適当と認められる場合
  • 地域課題の解決が必要な場合
  • 偏りのない中立・公平な意見や提案を求める場合

住民投票

 市全体を取り巻く大きな問題(市町村合併など)が生じたときに、市民の総意を確認することができる、最終的な手法。

住民投票 [110KB pdfファイル]

手法のメリット
  1. 広く市民の意思を問うことができる。
  2. 地域における重要問題、政策・事業に関して、市民の賛否を直接問うことができる。
手法のデメリット
  1. 非常にコストがかかる。
  2. 実施するまでに期間が必要とされる。
  3. 投票率によっては必ずしも市民の総意が結果に反映されるとは限らない。
住民投票を行うにあたって
  • 住民投票に関する条例制定については、市長と市議会議員の双方が発議することができ、市民にも請求する権利がある。
  • 投票に付すべき事項ごとに、住民投票の期日や投票資格者、投票の方法などの詳細な事項を定める条例をその都度制定する。
市民参画手続としての住民投票

住民投票を行った結果の扱いについて法的な拘束力はないが、最も広く市民の意見を問うことのできる、ひとつの手法といえる。 

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