感染症流行地域へ渡航する場合には、万全な対策を

 これから蚊が発生する季節を迎えます。

 ウイルスなどの病原体に感染した人や動物の血を吸った蚊に刺されることで、さまざまな感染症にかかる恐れがあります。海外では蚊を媒介とする感染症が多く報告されており、海外で感染して帰国した人から、国内に感染が拡大することを防ぐ必要があります。

 蚊が媒介する感染症にかからないためには、一人一人が感染症の流行地域で蚊に刺されない、住まいの周囲に蚊を増やさない対策をすることが重要です。

 

感染症流行地域では、蚊に刺されないようにしましょう

  • 海外へ渡航する際には、渡航前に現地での流行状況を把握しましょう。もし、蚊を媒介とする感染症の流行地域へ渡航される場合には、蚊に刺されないように万全な対策をしましょう。
  • ジカウイルス感染症は、胎児の小頭症との関連が指摘されています。妊婦や妊娠の可能性のある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。
  • 屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないようにしましょう。
  • 網戸や扉の開閉を減らし、蚊取り線香を昼間から使用するなど、できる限り家の中への蚊の侵入を防ぎましょう。

 

住まいの周囲に、蚊を増やさないようにしましょう

  • 蚊は、植木鉢の受け皿や屋外に放置された空き缶に溜まった雨水など、小さな水たまりで発生するので、日ごろから住まいの周囲の清掃を心がけましょう。
  • 1週間に1度程度は、雨水が溜まった容器を逆さにするなど、住まいの周囲の水たまりをなくすようにしましょう。

 

※蚊の活動は、概ね10月下旬頃で終息します。これらの対策は10月下旬ごろまでを目安に行いましょう。

 

ジカウイルス感染症について

 海外の流行地域において、蚊に刺されてから数日後に、軽度の発熱、発疹、結膜炎、関節痛、筋肉痛、倦怠感、頭痛などの症状が見られた場合には、医療機関を受診してください。

 妊娠中にジカウイルスに感染すると、胎児に小頭症などの先天性障害を来すことがあることから、妊婦及び妊娠の可能性がある方は、可能な限り流行地域への渡航を控えてください。

※世界保健機構(WHO)は、2016年3月8日、妊婦は流行地域への渡航をすべきでないと勧告しています。

 

デング熱は

 デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、吐気・嘔吐などの症状が見られます。通常発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現します。まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。そのため、早めに医療機関を受診してください。

 

媒介となる蚊

ヒトスジシマカは、国内でも常在しています。

ヒトスジシマカの写真       

ジカ熱・デング熱に関するリンク

 

アフリカ南部では黄熱が流行中

黄熱の媒介蚊であるネッタイシマカは国内に生息しておらず、日本で発生した例の報告はありませんが、黄熱ウイルスを持った蚊に血を吸われることで感染します。2015年12月以降、アンゴラを中心に黄熱の患者が多数報告されています。

流行国に渡航する方へ

黄熱ワクチンは、接種10日後から90パーセントの接種者で十分な免疫が得られ、14日後にはほぼ100パーセントの予防効果があるとされています。予定のある方は検疫所に相談し、最新情報を確認しましょう。

黄熱に関するリンク