ICTの時代に、秋の読書の魅力を見つけよう(令和6年11月)
近年、学校教育の現場にICT(情報通信技術)が本格的に導入され、授業や学びの場が大きく変わってきました。タブレットやパソコンを使った授業が進み、子どもたちは瞬時にさまざまな情報を手に入れ、デジタルコンテンツを活用して学びを深めることができるようになりました。しかし、そんな時代だからこそ、「読書」の大切さを改めて見つめ直してみる価値があります。
秋は「読書の秋」と呼ばれ、心地よい気候の中で本に親しむには最適な季節です。では、なぜICTが発展した今もなお、読書が必要なのでしょうか?
読書は、単に情報を得るだけではなく、想像力や集中力を育む力があります。本の世界に入り込むとき、私たちは登場人物の心の動きを感じたり、自分の中で物語の場面を思い描いたりします。この「想像する力」は、画面を見て得る情報とは違う、深い感情や理解を生み出します。例えば、デジタルコンテンツはすぐに答えを教えてくれることが多いですが、本は一文一文をじっくり味わうことで、考える力が自然と鍛えられます。
また、読書には心を落ち着け、自分のペースで学ぶ時間を与えてくれるという特徴があります。ICTの活用が進む現代は、情報が速く流れていく分、私たちの思考も忙しくなりがちです。そんなとき、本を手に取り、ゆっくりと物語に没頭することで、心が穏やかになり、自分自身と向き合うことができるのです。
秋のこの時期に、外の気持ちの良い空気を感じながら、お気に入りの本を開いてみてください。ICTが提供する素晴らしい学びと共に、読書の時間が心と頭に豊かな栄養を与えてくれることを実感できるはずです。読書は、ICTの時代でも決して失われない、大切な学びの一つです。どうぞ秋の読書を存分に楽しんでみてください。