小さな思い出

誰もが通る道ですが、「私の場合」を紹介します。
それは、「自転車の補助輪を早く外したい。」という内なる動機から始まりました。

小2の頃、ほかの子がすいすいと自転車を走らせていく後ろを
補助輪を付けた私の自転車がガタガタとくっついていくのです。
父に補助輪を外してほしいと頼むと
「その時期だろう」と判断したのでしょう
スパナを持ってきて左右に飛び出した補助輪を外してくれました。

いよいよ試運転…
ご想像の通りです。
思うようにできず、「後ろ持っててよ。離したらだめだよ。」と半べそをかきながら
特訓をしました。
「大丈夫。ちゃんと持っているから」と父の声
何日かするとよろよろした試運転もそれなりに上達していくらかスピードも上がります。
「後ろ持っててよ」というと
今度は遠くのほうから
「もう持っていないよ~」の声。
振り返ってみると、少し小さくなった父の姿。

「あっ。乗れたんだ」と感動の瞬間でした。

と、ここまでが習得の段階
でも、自転車が乗れるという意味はそれだけではありません。
次に、自転車を安全に扱う、いわば活用の段階があります。

ある日、滝沢君という子が「うちへおいでよ」と誘ってくれました。
初めていくところでした。
「自転車で行ってもいい?」と父に尋ねると
「大丈夫か?」と渋々の許可。

今でも覚えています。

ある土曜日の午後でした。
スピードは出さずに行きました。
せまい道で車とすれ違う時はちゃんと降りました。
そして滝沢君の家について自転車のスタンドを立てたとき
ちょっと偉くなったような気がしました。

今振り返ってみると、ほんの小さな出来事ですが
子どもの頃の大切な思い出のひとつです。