「人は人なか、木は木なか」

私は数年前に屋久島に行きました。森林
杉の大森林の中をひたすら歩き続け、やっとその大木に出会うことができました。
推定樹齢数千年の「縄文杉」は神々しいオーラをまとい、凛としてそこに立っていました。

その大木に圧倒されて浮かんできたのは
「人は人なか、木は木なか」という言葉でした。
これは人が人の中で育つように、杉は杉の大森林の中だからこそ立派に育つのだ、という意味なのだそうです。
私が会いに行った縄文杉も大森林に長い年月抱かれながら今の姿になったのでしょう。
逆に、周りの木が切り倒されてしまうと杉は大きく育たず
やがて枯れてしまうのだそうです。

そう考えると、「人は人なか」とは教育の原理です。
人はそれぞれの学びや個性(よさ)を集団の中で発揮し
互いに磨きあうことで成長していきます。
また、集団の中では適度な競争が生まれたり、
時には対立と矛盾をはらんだりして
それらを乗り越えるために必要な我慢、思いやりなどを学びます。

凛としてそこに立っていた縄文杉。
私はしばらくの間、壮大な時の流れに思いをはせていました。