梅雨時の雨は、気分が晴れないもので、とかく晴れ間を望んだり、早々の梅雨明けを期待してしまうものです。
しかし、一方、水不足を心配したり、農家の人にとっては、作物の生育には、この時期の雨は必要なものです。
考え方を変えれば、一方がよくないことでも、もう一方では、必要不可欠なこともあります。
常に物事には表裏が存在することになります。
見方や考え方を変えることで、様々な答えを導き出せることがいくつもあります。
そこで…。

正しい答えと優しい答え

「学ぶ」ということはどういうことでしょうか。
子どもの発想力や柔軟性に驚く、ある出来事を聞いたことがあります。おかし
小学校での話ですが、算数の割り算の学習中のことです。
「10÷4はいくつになりますか?」という問題がありました。
先生は、「例えば10個のお菓子を4人で分けるとどうなりますか。そうですね、答えは2余り2ですね」
と子ども達に説明しました。
そうしたら、ある子どもが手を挙げてこう言ったそうです。
「先生、違います。余りはでません」
「どうしてですか」と先生が再び尋ねたらその子はこう続けたそうです。
「僕の家では、10個のお菓子を、お父さんとお母さんが2個ずつ、僕と妹で3個ずつ分けますから余りはでません」

この答えを聞いて皆さんはどう感じたでしょうか。
算数の答えとしては、「10÷4=2…2」があくまで正解であって、余りがでます。
しかし、実生活の中では、この子が答えたように余りが出ないこともあるわけです。
子どもの答えから想像される家庭での温かさや、柔軟な思考方法が出た答えです。
それを人間が、感じ取ることができたら胸が熱くなり、否定することはできないはずです。
これは「優しい答え」の一例です。

また、「氷が溶けたらどうなりますか」の発問でも、子どもによって様々な答えが返ってくることがあります。
先生が求めていることは、「水になる」ことかもしれませんが、
例えば、「氷が溶けたら春になる」との答えでもわかるように、
子どもの発想力の豊かさでは、様々な答えがでてきます。
東北では氷が溶けたら小川になった、沖縄では、アイスが溶けたらジュースになった、など
住んでいる地域や環境、あるいは、経験によっても答えが変わってくる場合があります。
大切なことは、「それは間違いです」と決めつけないで、
先生や親が、子どもに対し、どうしてそのような考え方ができたのかを考えたり、尋ねたりして理解することで、
受けて止めてあげることが大切です。
できれば、評価してあげるとさらなる意欲につなげることができます。
先生や親はどれだけ子どもの発想にせまることができるかが重要です。

学校で「学ぶ」ということは「正しい答え」を求めることでもあります。
そして、その正しい答えが一つとは限らないことが、この世の中ではたくさんあります。
見方・考え方を変えるだけで、幾通りもの答えが出ることもあります。
また、「人と人との間に必要なのは、正しい答えではなく優しい答えである」とも言われます。
「学ぶ」ことによって正しい答えが出せると同時に、
優しい答えが出せる人間になってもらいたいと思います。
また、親としても子どもと接する中で、子どもの答えを十分に受け止め、正しい答えと優しい答えを一緒に考えられるとよいと思います。