6月は「食育月間」です

平成17年6月に「食育基本法」が成立したことを機に、毎年6月を「食育月間」と定められました。
また、毎月19日は「食育の日」と定められています。【育(い・く)=(1・9)】

農林水産省によれば、食育とは、『生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの』で、『様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるもの』とされています。

「いただきます」と「ごちそうさま」

吉川市内の各小中学校では学校給食が提供されています。
学校給食は、子供たちに栄養のバランスがとれた食事を提供することにより、なまりん
心身の健全な発達を促すことをねらいとする“教育活動”です。
学校では、栄養教諭や学校栄養士を配置し、
給食の時間などを活用して食育指導等も行われています。
また、コロナ禍の影響で“黙食”の期間が続いてしまいましたが、
食事(会食)を通して、望ましい人間関係を構築する場でもあります。

また、食育指導の一環として、
『いただきます』や『ごちそうさま』の意味について考えることがあります。
『いただきます』の語源にはいくつかの説がありますが、
食材(=命)への感謝とその食事に携わった人たちへの感謝の気持ちを表しています。
『ごちそうさま』は「御馳走様」と書き、馳走は走り回るという意味です。
あちこち走り回って集めた食材で料理された御馳走と、
作ってくれた人への感謝の言葉です。
どちらの言葉にも共通している“感謝のこころ”を育てるねらいがあります。

「こ食」

今日、子供たちを取り巻く食に関する生活環境は、様々な課題を抱えていると言われています。
「こ食」という言葉をお聞きになったことはないでしょうか?
「こ食」とは、「孤食」「子食」「個食」「固食」「小食」「粉食」「濃食」などを指し、
最近の子供によくみられる傾向として、家庭での食事の摂り方の問題点を指摘した言葉です。

  • 「孤食」は、家族が不在で一人で食事をすること。
  • 「子食」は、子供だけで食事をすること。
  • 「個食」は、家族が揃っているのに、それぞれが自分の好きなものを食べること。
  • 「固食」は、自分の好きな決まったものしか食べないこと。
  • 「小食」は、いつも食欲がなく、少しの量しか食べないこと。
  • 「粉食」は、粉を使った主食(パン、パスタなど)を好んで食べること。
  • 「濃食」は、加工食品などの濃い味付けのものを好んで食べること。

このような食事の仕方が増えると、栄養が偏りがちになる、好き嫌いが増える、
肥満や生活習慣病を引き起こすなどに加え、社会性や協調性が身につかなかったり、
無気力になったり、いわゆるキレやすい子になったりするなど、
性格や精神面にも多大な影響をおよぼすと言われています。

核家族化や共働き家庭の増加など社会構造の変化や子供が塾や習い事に通うなど、
家族みんなで食事の時間を合わせることが難しくなっていることが要因として考えられます。
比較的時間を合わせやすい朝食や休日には、家族揃って食卓を囲めるようにしたいものです。

私たち人間のすべての源は「食」であると言っても過言ではありません。
食育月間である6月に、ご家族で「食」について考えてみるのはいかがでしょうか。