未来に生きる子供たちへのメッセージ

夏の猛暑が嘘だったかのように急速に秋が深まり、
最近は朝晩の冷え込みに身を縮める日も多くなってきました。
初雪が観測されたというニュースを目にする中、
桜(ソメイヨシノ)が開花したとの報道に耳を疑いました。
毎年のように言われている“異常気象”ですが、
これが異常ではなくなり“平年並み”と言われるようになるのではないか、
そうして日本の四季は無くなってしまうのではないかと危惧するのは私だけでしょうか。

○○の秋

さて、今号は秋についてのお話です。
私たちは、日本の秋を「○○の秋」と表現することがあります。

まずは、「食欲の秋」です。

秋は、野菜や果物などがたくさん実り旬の時期を迎えます。
魚も多く獲れる時期でおいしいものがたくさん市場に出回ります。
昔は今とは違い、ビニールハウス栽培や長期保存設備などのように気温等がコントロールできなかったため、収穫した野菜などは旬の時期にしか食べられませんでした。
秋には美味しいものを食べる機会が増えるということではないでしょうか。

次に、「スポーツの秋」。

だんだん涼しくなるので、運動をするのにも最適な時期です。
また、前回の東京オリンピック(1964年開催、10月10日開会式)に由来するとも言われています。

「芸術の秋」という言葉もあります。

木々の紅葉に象徴されるように、様々な果実や木の実が実を結び葉も色づきます。
秋は自然が美しく色づく季節ということで、「芸術の秋」と呼ばれるようなったという説があります。

そして、「読書の秋」です。

暑い夏に比べ過ごしやすい秋は、やる気や集中力も持続しやくなります。
秋の夜長と言われるように秋の夜、一人静かに過ごせる時間が増え読書もはかどるのではないでしょうか。

秋真っ只中のこの時期に読書週間があります。

読書週間は、1947年(昭和22年)から始まり、
毎年10月27日から11月9日(文化の日を中心にした2週間)と定められています。
戦争が終わったばかりの日本で、
「読書の力によって平和で文化的な国を作ろう」という決意で始まりました。
現在では、日本の国民的行事として定着し、
日本は世界有数の「本を読む国民の国」になったそうです。

私のペースでしおりは進む

今年の読書週間の標語は、『私のペースで しおりは進む』です。

市立図書館で9月30日まで「モヤモヤを吹き飛ばせ」と題して67冊の本が紹介されました。
その中から1冊を紹介します。
「ミライの授業」(講談社 瀧本 哲史著)です。

京都大学客員准教授の瀧本氏が中学生に向けた講演会の内容が納められた本です。
帯には、『これは14歳に向けた「冒険の書」であり、大人たちが知るべき「教養の書」である』と記されています。
「14歳のきみたちに知っておいてほしいことがある。」の書き出しで、
未来に生きる子供たちへのメッセージがちりばめられています。
大人にとっても新たに知ることがたくさんあります。

秋の夜長に、ぜひ手に取って欲しい一冊です。