吉川市では12月24日に現金10万円を一括支給します。

支給対象の市民の皆さんに、いち早くお届け出来ることになったこと、とても嬉しく思います。

けれど、今回の支給の件、めでたしめでたしとは全く思えず、国会やメディアで取り上げられている視点に疑問しか感じません。

議会の様子
 

  • 小さな吉川市でさえ、対象約1万1700人で、10万円支給するのには11億7000万円+事務費1000万円以上がかかる。
  • スピード感持って市民の方々に支給するには、国がその分のお金を市に入金する前に支給することになり、市は現金をかき集めなければならない。事業計画や職員ボーナス等で現金が少なくなるタイミングに当たれば非常に困難な作業となる。
  • 18歳までとしたことで、市の持っている児童手当のデータの範囲を越えてしまっており、該当する市民の方々に通知確認し、さらに振込先や所得状況を確認し、振り込むという、それだけで何人職員が拘束されるんだと言いたくなる事務量となる。

ここまで記しただけでも、

「5万円か!クーポンか!」

「どこの自治体が早いか遅いか⁈」

ましてや、

「聞く耳がある or 朝令暮改か?」

などという取り上げ方がいかにピントがズレているかが一目瞭然。

 

問題は、

  • 「何故支給するのか」という理念が揺らぐこと
  • ワクチン接種における「国vs自治体のドタバタ」でもあきらかだったように、「地方自治体の現場を知らず」に国が決定するシステムに欠陥があり、衆議院議員、参議院議員のあり方(小選挙区比例代表制もふくめて)が問われていること
  • 例えば、市民の口座の一つは自治体に届けておくなど、こうした「非常時の緊急対応の視点」を持ち、自治体事務経費の効率化を日本全体で図るような「マイナンバーやDXの推進」「法律の改正」を議論すべき

などです。

 

一生懸命に頑張っても、モヤモヤしか残らない「国の決定に従って動かなければならないコロナ対策」の数々……

こうした思いは、全国どの首長も持っているはず。

ぜひ国、国会議員の皆さんに共有していただきたいと思うのと同時に、12月議会対応で大変な中、「市民の方々にとってベストな支給実現」に向けて、走り回ってくれた(走り回っている)全国の自治体の職員の皆さんに深く感謝します。

 

 

令和3年12月16日

吉川市長 中原恵人