空家等対策の推進に関する特別措置法が改正されました 

 周辺に悪影響を及ぼす前の段階から空家等の有効活用や適正な管理を確保し、空き家対策を総合的に強化することを目的として、空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律が令和5年6月に公布され、令和5年12月13日施行されました。

 主な改正点

 (1)空家等所有者等の責任の強化

 (2)空家等活用促進区域の指定

 (3)財産管理人による所有者不在の空き家の処分

 (4)空家等管理活用支援法人制度

 (5)管理不全空家等に対する指導・勧告等

 (6)代執行の円滑化

 

管理不全空家等の新設について

 管理不全空家等とは、空家等のうち、適切な管理が行われておらず、放置すれば放置すれば保安上危険・衛生上有害・景観に悪影響を与える空き家等(以下、特定空家という。)になるおそれがある空家等をいいます。

 法改正により、これまで特定空家等に適用されていた住宅における固定資産税等の住宅用地特例(1/6減税)の適用除外措置が引き下げられ、管理不全空家等の段階で適用されることになりました。

 市は、当該空家等の状態を把握し、空家等の所有者等に対し、空家等の適正を求めますが、近隣に影響を及ぼし、指導しても状態が改善されない場合には、そのまま放置すれば特定空家等になるおそれがあると判断し、必要な措置を勧告します。

 勧告を受けた時点で管理不全空家等に位置付けられ、固定資産税等の住宅用地特例(1/6減税)の対象から除外されることになります。

 200平方メートル以下の小規模住宅用地部分で1/6減税が解除され、200平方メートル以上の一般住宅用地部分で1/3の減税が解除されることになり固定資産税等が6倍になるおそれがあります。

 適用は空き家の状況により判断されますので、空き家の管理などでご不明な点がございましたら、市にご相談ください。

空家等の適正管理をお願いします

空家等の現状と問題点

 近年、全国的に人口の減少や少子高齢化等の社会情勢の変化に伴い、空き家となる住宅が年々増加しており、このような中で、特に適切な管理が行われていない空き家とその敷地(以下、「空家等」という。)が公衆衛生の悪化や景観の阻害など、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしています。空き家になっただけで問題になることは少ないと思われますが、適正な管理が行われていなければ、近隣に迷惑や危険を及ぼし、トラブルの原因となります。特に問題となっている草木の繁茂では、近隣にも雑草の種が飛散し、雑草が根付きやすい環境になることから、地域の生活環境にも悪影響を及ぼすものとなります。近隣にお住いの方々に迷惑をかけないためにも、定期的に草刈りを行うなど、空家等の適正管理に努めてください。

空家等を放置することで、下記の問題があるとされています。

(1)建物の老朽化

(2)景観の悪化

(3)犯罪や防災面の危険性

(4)近隣環境への悪影響

     空き家の様子を表したイラスト               

所有者等には空家等を適正に管理する責任があります

 平成27年5月に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、放置すれば保安上危険・衛生上有害・景観に悪影響を与える空き家等(以下、特定空家という。)については、所有者等に対して除却や修繕等の措置に関する助言・指導、勧告、命令、代執行が可能となりました。勧告の対象となった特定空家は固定資産税等の住宅用地特例(1/6減税)の対象から除外されます。また、所有者等が命令に従わない場合は50万円以下の過料が科せられます。空き家は個人の私有財産であり、その管理は所有者等が行わなければならないとされています。隣接地や道路など周辺への支障がないように定期的に見回るなど十分注意し、管理することが必要です。自分が所有している空家等を定期的に点検し、管理できない場合は業者等に依頼するなど、所有者等の責務を果たすことに努めてください。

 

市では、チラシなどの周知活動により、空家等の所有者及び管理者の方に適正管理を呼び掛けています。

          市の職員が空き家の所有者に適正管理となる内容を伝えているイラスト    草むしりをする家族のイラスト

越境した樹木の切取りルールが改正されました

 隣の空き家の樹木の枝が自分の敷地に越境している場合、これまでは、樹木の所有者に切除してもらうか、訴えを提起して、判決を得て強制執行の手続きをとる必要がありました。

 令和5年4月1日の民法改正により、越境された土地の所有者は、樹木の所有者に枝を切取らせる必要があるという原則を維持しつつ、次のいずれかの場合には、枝を自ら切取ることが出来るようになりました。

(1)樹木の所有者に、越境した枝を切除するように催促したが、相当の期間内に切除しないとき

(2)樹木の所有者を知ることができず、又は所在を知ることができないとき

(3)急迫の事情があるとき

  令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント(法務省)より抜粋

 

所有者に催告してからどれくらい待てばいいの?

 相当の期間とは、基本的に2週間程度と考えられます。

費用は請求できるの?

 樹木の所有者に請求できると考えられます。

枝を切るために隣地に入ることはできるの?

 越境した樹木を切り取るのに必要な範囲で隣地を使用することができます。

 

越境した樹木の枝の切取りを考えられた場合、事前に法律の専門家にご相談ください。

 

空家等に関する条例の制定

 本市では現在、空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「法」という。)に基づき、所有者及び管理者(以下、「所有者等」という。)に対して管理不全な状態の空家等を適正に管理していただくよう依頼しています。また、正当な理由がなく適正管理に努めない所有者等に対して、市が独自で空家等に関する必要な措置を講ずることができる「吉川市空家等の適正管理に関する条例」を定め、市内の空家等の適正管理に努めています。

空家等の所有者等につきましては、空家等の適正管理に努めていただくようお願いします。

空家等における危険性

  建物は管理しないと傷んできます。このチラシには適切に管理していない場合のリスクや管理について相談できる専門家の連絡先を掲載しています。  

 空家等を放置し、火災や屋根、外壁の飛散などにより第三者へ危害を加えた場合、損害賠償が必要となる可能性があります。このチラシには損害額の例や専門家の連絡先が掲載されていますので、ぜひ早めのご相談を!!   

空家等を適正に管理するための留意点

 次のことに注意し、空家等の適正な管理をお願いします。

  • 声かけ:ご近所の方に連絡先を伝えておくなど、迅速な対応ができるよう近隣の方との声かけを行っておく。
  • 雑草の手入れ:雑草などは思っている以上に伸びやすいため、隣接地への配慮を考え、定期的な確認と剪定を行い、適切に処分する。
  • 植木の手入れ:広葉樹や落葉樹による樹種の影響や越境による近隣家屋への影響もあるため、普段からの確認と定期的な選定を行う。
  • 不審者・ゴミ:施錠による敷地内及び建物への不審者の侵入を防ぐとともに、郵便物の日常管理やゴミの不法投棄などの予防対策に心がける。
  • 害虫・害獣:シロアリ、スズメバチなどの害虫やタヌキ、ハクビシンなどの害獣の発生の防止に努める。
  • 火災・地震:空き家でも加入できる保険に入るなど、火災や地震などに備える。
  • 建物の補修:外壁の剥がれやひび割れ、雨漏りや屋根の破損、雨樋や落下物などの危険はないか点検し、建物の維持に努める。
  • カビ・腐朽:換気しなければ建物内部にカビが発生し、腐朽が早まるため、通風、換気を積極的に行うように努める。

            スズメバチの巣のイラスト  刺そうとするスズメバチのイラスト   不法投棄をする人のイラスト

家族による話し合いを

 空き家になるケースとしては、子供との同居や施設への入所、所有者の死去など理由は様々ですが、将来空き家になることが予想できていても、後回しにしていることが一番の問題でもあります。空き家として残された土地や建物の管理を誰もが安易にできるとは限りません。また、自分が管理できなくなることも考えなければなりません。残された配偶者、子供や孫が悩まないように今のうちから話し合いを持ち、空き家にならない取り組みなど、将来に向けた準備が重要です。

 今や当たり前となった“終活”。このリーフレットは『家の終活』に特化し、方法を4つのステップで解説、専門家の連絡先を掲載しています。

          老夫婦が家のことで話し合いをするイラスト     息子夫婦の家に来た老夫婦のイラスト

相続による空家等の問題

 核家族化が進み、各世帯ごとに住居を構える時代となったことで、空家等も全国的に増加している傾向にあります。相続をきっかけとして空家等を所有するケースが比較的多い状況です。また、相続による問題も多々あり、空き家となる理由として相続が大きく関わっています。所有している住宅について生前から考えをまとめて置くことも重要です。あらゆる選択肢を持ち、遺言書の作成や生前贈与などについて専門家に相談することも検討しましょう。

 空き家予防につながる相続・認知症への対応方法(遺言、任意後見、家族への信託)、相談窓口の紹介するチラシです。

 

相続により空家等になる事例
  • 住まいが既にある。
  • 生活拠点から遠い、生活拠点を変えられない。
  • 相続対象者がわからない、どこにいるかわからない。
  • 権利分割などで合意できない、売却や賃貸に対する同意が取れない。
  • 実家に思い入れがあり、売却や貸し出しに抵抗がある。
  • 売却などの手続きが難しそう。
  • 時間がない、家財道具などの整理ができない。

 法律相談や相続に詳しい専門家(司法書士、行政書士)に相談することで、問題解決ができる場合もあります。悩んでいるだけでは、前には進みません。専門知識がある方への相談を考えてはいかがでしょうか。

 

          お葬式で焼香する家族のイラスト    家系図のイラスト

相続登記の義務化

 住宅の相続登記も令和6年4月から義務化されることが決定しています。空家等の適正管理を行う上で、相続による住宅の所有は大変重要なものとなります。所有している空き家の登記が適正か、確認しましょう。なお、相続登記が行われていない場合には、下記弊害があります。

  • 賃貸や売買ができない:登記上の所有者が不明となるため、賃貸や売却ができない。
  • 土地、建物を担保にできない:リフォームや修繕、建て替えを行う場合に土地や建物を担保に金融機関からの融資が受けられない。
  • 相続登記の煩雑化:法定相続人全員の実印による押印が必要になるなど、子や孫の世代まで波及すると登記が煩雑化する。

         相談者と職員が会話するイラスト

できることから考える

 住まいが遠い、仕事が忙しい、近所の方に空家等の管理をお願いできないなど、空家等の管理は非常に難しいものです。しかしながら、空家等が適正に管理されなければ、近隣にお住いの方々にとって空家等はただの迷惑施設となり、草木の繁茂や建物の危険性など、大きなストレスを与えることになります。管理が必要だと思っているだけでは改善されず、思いだけでどうにかなるものではありません。時間が経てば経つほど土地や建物は悪化し、何の解決にもなりません。定期的に空家等を見守るサービスの活用など、まずは行動に移すことが重要です。空家等を放置せず、今できる対応策を考えましょう。

          忙しく仕事をする空き家の所有者となった人のイラスト    DIYをする人のイラスト

空き家に対するローンの活用

空き家の解体や活用に対し、一部の銀行などではローンの借り入れが可能な場合もあります。住宅の解体には多くのお金が必要になります。また、活用を考えているけれど改修費用もすぐには用意できないなど、空き家を所有したことで金銭的な悩みも多いと思います。銀行により取り扱いが異なりますが、活用の検討をしてみてはいかがでしょうか。

          相談をする空き家の所有者になった人のイラスト     

適正管理のお手伝い

空家等の適正管理が難しい方へ

市では公益社団法人吉川市シルバー人材センターと空家等の適正な管理の推進に関する協定を締結しています。

所有者等の代わって空家等を定期的に訪問、点検を行います。

空家等で問題となる、除草作業や植木の選定、伐採枝おろしなどをはじめ、様々なサービスが利用可能です。まずはご相談ください。

         修理などを行う人のイラスト  

空家等の利用のお手伝い

空家等を相続したが、自分には居宅があり、売却はまだ考えていない方へ

 市では、市内にある「誰も住んでいない住宅」や「使用していない店舗、事務所、倉庫又は作業所」の建物とその敷地の利活用を促進するため、平成30年4月より、「吉川市空き家バンク」を開設しました。

市に空き家を登録することで、市と協定を結んでいる「公益社団法人宅地建物取引業協会越谷支部」及び「公益社団法人全日本不動産協会埼玉県本部県東支部」が相互に連携・協力して、空き家を借りたい方とのマッチングを行います。

登録には一定の審査が必要であり、場所や建物などによっても状況が異なりますので、まずはご相談ください。

          握手する手のイラスト 

空家等の売却等のお手伝い

空家等を相続したが、売却したい、空き家を解体して駐車場などの利活用を考えたい方へ

 市では、市内の空家等を市場へ流通させることで、空家等を減らし、良好な住環境の確保及び定住促進等による地域の活性化を図ることを目的に「公益社団法人宅地建物取引業協会越谷支部」及び「公益社団法人全日本不動産協会埼玉県本部県東支部」と協定を締結し、空家等の処分や利活用でお困りの方や売却等を希望される方も専門家による相談が可能となっています。まずはご連絡ください。

           握手する空き家所有者と専門家のイラスト

空き家の発生を抑制するための特例措置

空き家となった被相続人のお住まいを相続した相続人が、耐震リフォーム又は取壊しをした後にその家屋又は敷地を譲渡した場合に、その譲渡にかかる譲渡所得の金額から3,000万円を特別控除する制度です。これまで被相続人が相続直前まで家屋に居住していたことが必要でしたが、平成31年度の税制改正において、要介護認定等で被相続人が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となりました。

          書類に押印をするイラスト    建物を解体しているイラスト

低未利用土地等の譲渡に係る所得税及び個人住民税の特例措置

令和2年度税制改正において、「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除(長期譲渡所得の100万円控除)」制度が創設されました。都市計画区域内にある低未利用土地等を譲渡した場合(譲渡後にその低未利用土地等の利用がされる場合に限る。)において、長期譲渡所得の金額から100万円を控除するものです。

          書類を提出するイラスト

法律相談のご案内

空家等についてお悩みの方へ
  市では、弁護士による法律相談を毎月実施しています。対象は、市内在住、在勤、在学の方で、料金は無料です。
 事前予約が必要となりますので、下記にご連絡ください。

          弁護士に相談する人のイラスト

  なお、市内に空家等を所有しているが、市内在住でない方は、お住まいの市区町村による法律相談をご利用していただくようお願いしております。
 お住まいの市区町村にお問合せをお願いします。
 

相続おしかけ講座

空家等の相続について学びたい

 埼玉県では、相続に詳しい専門家(司法書士、行政書士)を無料で派遣し、住宅の相続についてわかりやすく説明してくれる講座があります。

埼玉県による派遣事業のため、個人での参加申し込みはできません。参加者数、申し込み時期、場所の確保などの条件がありますので、詳細については当市担当までご相談ください。

         講演をする人のイラスト    

住宅相談窓口

住宅の相談がしたい方へ

 埼玉県では、『埼玉県住宅供給公社 住まい相談プラザ』において、空家等を含む住宅相談窓口を設置しています。

空き家、リフォーム、マンションなどの様々な問題に対して無料で相談ができますので、ぜひご活用ください。

詳細は、埼玉県のホームページにてご確認ください。

         相談に来た夫婦と対応する職員のイラスト

空家等に関する情報提供のお願い

空家等の適正管理は全国的にも問題となっており、今後も更に空家等の適正管理が求められるものです。

市では市内全域の空家等の把握に努め、特に危険性や管理不全の空家等に対して適正管理を求めております。

空家等の把握は非常に難しく、把握しても所有者等の所在が明らかにならない場合や所有者等すら把握できないものもございます。

地域の協力が不可欠であり、早期対応が重要な場合もありますので、管理不全の空家等について、所有者等の所在などを含め情報提供にご協力をお願いします。

 

            空き家ののイラスト


     

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