吉川市の空き家対策について知ろう

カエル博士となまりん劇場(19回)

   カエル博士   なまりん

カエル博士:では、授業を再開しますね。

なまりん :はい、博士♬後半は、吉川市の空き家対策についてですよね?

カエル博士:そうですね。それではまず、空き家対策の背景から勉強していきましょう。前回の授業でも出ましたが、国は平成27年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」を施行(法律の効果を発揮させること)しました。これを受け、吉川市では同年に「吉川市空家等対策協議会条例」を制定し、そして平成29年3月に「吉川市空家等対策計画」を策定しました。

なまりん :ふむ…いきなり難しいですね。

カエル博士:名前は難しいですが、増え続ける空き家の対策として、国が法律を作り、それに基づいて、市が空き家対策の計画を作ったということです。

なまりん :なるほど。

   腕組みなまりん

カエル博士:では今度は、市はどんな対策をしているのかを勉強しましょう。現在、吉川市で行っている空き家対策は、

  1. 空き家の発生状況を把握するために、市内の建物の現況調査
  2. 1で判明した空き家の所有者に対し、通知や電話で空き家を適正に管理するように依頼
  3. 空き家の利活用を図るために、吉川市空き家バンクを設置
  4. 空き家の適正管理を促すための、行政指導や勧告

などを行っています。

なまりん :また難しいですよ、博士…。

カエル博士:一つ一つ見ていけば大丈夫ですよ。では、まず(1)の予防ですが、家は人が住まなくなると急激に老朽化していきます。

なまりん :何年くらい住まないとまずいんですか?

カエル博士:換気などをしているかで変わってきますが、家は1年放置すると急激に状態が悪化してくると言われていますね。

なまりん :たった1年でですか!

カエル博士:そう、空き家はたった1年で状況が変わってくるのです。だから、市では毎年市内の空き家の状況調査を行っているんです。

なまりん :なるほど、でも空き家があるって分かってお終いなんですか?

カエル博士:もちろん、見つかった空き家はこのままにしておかずに、きちんと管理するよう、(2)のとおり、持ち主に対し通知などで依頼していますよ。

なまりん :でも、遠くに住んでたりすると管理するのもなかなか難しいんじゃ…。

カエル博士:そうですね。なので、市とシルバー人材センター協定を結んでいて、シルバー人材センターに空き家の見回りや草刈などが依頼できるようになっています。(有料)

なまりん :これなら遠くに住んでいてもきちんと管理できますね!

   驚くなまりん

カエル博士:はい。では、次に(3)の空き家バンクについて見ていきましょう。市では、空き家の利活用を図るために、吉川市空き家バンクというものを設置しています。

なまりん :空き家バンクって最近ニュースとかでも聞きますよね!

カエル博士:最近では、空き家バンクを使って芸能人の方が家を買う番組もありますね。

なまりん :でも、空き家バンクってよく聞くけど、どんな制度か詳しくは知らないです。

カエル博士:空き家バンクとは、空き家を持っている人から申込みを受けて、その情報を市のホームページなどに掲載し、家を買いたい又は借りたいと考えている人とのマッチングを図る制度のことなんです。市は家の貸し借りや売買の契約をすることができませんので、交渉や契約は業者の方にやってもらいますが、業者は市と協定を締結している業者なので、安心して契約ができるんです。  

なまりん :でも、そんなことをしなくても、市が空き家を壊せば、空き家の数は減らせるんじゃないですか?

カエル博士:家は個人の財産ですから、市が勝手に壊すことは難しいんです。

なまりん :そっか!じゃあ空き家を減らすためには、所有者の方に動いてもらうしかないんですね!

カエル博士:そういうことですね。ただし、このまま放置しておくのは危険と判断された特定空き家に限っては別の対応をする時もあります。

なまりん :どういうことですか?

  疑問に思うなまりん

カエル博士:前回の授業でも出てきた「空家等対策の推進に関する特措置法」では、特定空き家の所有者に対し、空き家を適正に管理するように通知し、その後勧告を行うとともに、固資産税の住宅特例も除外し、それでも改善されなかった場合は、適正管理の命令を行います。その後も改善がされないときには、「行政代執行法」に基づく処置をすることができる、と書かれているんです。

行政代執行というのは、空き家の所有者に代わり空き家の適正管理に向けた取り組みを行うということです。つまり、行政が隣の家などに飛び出している木を切ったり、最後には、空き家を壊すことができるということです。

さっきも言いましたが、通常、家屋は財産なので市が建物を壊すことはありませんが、危険度の高い特定空き家を放置した場合は、それができるというということです。

なまりん :でも、空き家を放っておけば行政が処分してくれるなんて、逆に便利に利用されてしまうんじゃないですか?

カエル博士:いやいや、もちろん処分に掛かった費用は空き家の所有者が支払うんですよ!

  否定するカエル博士

カエル博士:この費用は税金と同様の扱いになりますから、支払わない場合は、差押えの対象にもなります。

なまりん :差押えってテレビで見たことありますけど、強制的に財産をおさえるってことですよね?

カエル博士:その通りです。それに、建物を壊すと住宅特例が適用されませんので、税金も上がってしまいます。なので、所有している空き家は絶対に放置しないでほしいです。また、空き家は年数を重ねるほど価値が下がってしまいますので、「いつかやる」ではなく、「いま」対応してほしいですね。

なまりん :分かりました!なまりんも気を付けます!

カエル博士:なまりんも、吉川市内で空き家を見つけたら市役所に教えてあげてくださいね。それでは、今回の授業はここまでにしましょうか。

なまりん :次回はどんな授業ですか?

カエル博士:次回は、吉川美南駅東口の土地区画整理事業についてお話ししたいと思います。お楽しみに♬